まほろば 奈良教会長コラム

12月度 実践目標

2012.12.1

『ものの見方をニュートラルにして「おかげさま」という感謝の種をみつけよう』

今月の会長法話のテーマは、『「おかげさま」を数えてみよう』です。

 一年を振り返って、何かにつけて不平不満や恨み言を口にしたり、自分に不都合な変化が起こると、それを受入れられず、苦に感じることが多くなかったでしょうか。 

会長先生は、その苦が喜びや生きがいにつながり、悲しみが心の成長をうながし、怨みにさえ「ありがとう」をいえるような大転換ができる智慧を次のように教えてくださっています。

・私たちは、数えきれないほどのご恩とその一つ一つの縁によって生かされていると同時に、一人ひとりが他を生かすご縁の一つでもあるといえそうです。ところが、ふだん、そのことを忘れて、何かにつけて不平不満や恨み言を口にしがちです。また、無常の法に照らせば当たり前のことであるのに、自分に不都合な変化は受け入れられず、多くはそれを苦と受けとめます。

・仏教で「色即是空」(しきそくぜくう)と説くように、現象そのものはプラスでもマイナスでもない、ゼロであり、「空」です。つらい、悲しい、苦しいと思う心を一度ゼロにし、まっさらにして、目の前に起きた現象をありのままに見直すと、おおらかな受けとめ方ができます。

・その根本は縁起や無常、空などの真理の認識にある。真理を学ぶことにより幸せを受けとめる感度が高まるといえるかもしれません。

・当たり前の日常に感謝し、そこに幸せを感じる習慣を身につけると、自(おの)ずと愚痴や不満が減っていきます。

・仏さまの教えを学ばせていただくなかで、愚痴の多かった己を省み、「見方を変えれば、ありがたいことはいくらでも見つかるのだ」と気づけたことが何によりも「ありがたい」と思うのです。

・「ありがとう」をいい、感謝の気持ちを行動にあらわすことで人に喜ばれ、それが感謝されることにつながる。自他の心をぬくもりで満たすこのような交感は、私たちに喜びと生きがいをもたらします。とりわけ、仏さまの教えをお伝えする利他の実践は、明るい人生を創造する大きな力となるでしょう。

なぜなら、仏さまの教えは、どれほど暗く沈んだ人の心にも、明るい「感謝」という一条の光を与えるものだからです。

今月は固定的になりがちな(バツの)ものの見方、受けとり方をニュートラル(真白)にして、「おかげさま」という種(マル)をたくさん見つけ、新たな年を迎えましょう。