立正佼成会 奈良教会 > まほろば 奈良教会長コラム > 令和二年十二月度 ご法話を学んで

まほろば 奈良教会長コラム

令和二年十二月度 ご法話を学んで

2020.11.30

★佼成12月号「会長法話」をご拝読ください。

【佼成12月号】

(朗読 MP3

令和二年十二月度 ご法話を学んで


皆さま、日々ありがとうございます。

十二月一日には教会発足四十七年の慶事を
迎えますことお喜び申し上げます。

祝典の機会は見送りせざるを得ないわけですが、
それぞれのご家庭で感謝の誠をかみしめてまいりましょう。

本年はコロナ感染に応じた生活を余儀なくされ、
家庭や職場、地域の活動を自粛することで、
感染リスクを下げる努力を会員のみなさまを
はじめご縁の方々と行ってまいりました。

その努力もあって会員各家のみなさまから
今のところ感染の報告はございません。

これもひとえに必要な対策を徹底したご精進の賜物と存じます。

引き続き、この状況は継続の様相を呈しておりますが、
まず自らが感染しない、感染させないという
基本的な行動をとってまいりたいと存じます。

さて、今月は『清々しい毎日をおくる』
と題してご法話を頂戴しました。

前項の、『即ち是れ道場なり』では
新型コロナウイルスの影響により、
感染した方や身近な人を亡くした方などの
そうした多くの方の身心の痛みや病気への
不安を一日も早くの終息を願い
祈っていてくださっている
会長先生に感謝とともに、私どもも
世界の皆さまのこころの安寧と早期終息を
祈念させていただけていることも大きな感謝です。

確かにコロナ禍にあって、
大きく生活スタイルが変わったわけですが、
わすれてはならない大切なことがあると
お示しくださいました。それが

「法華経の信仰に生きる人の生活の場は、
どのようなところでも、そこが道場である」

「法華経で修業とは、私たちの日常生活の
最中(ただなか)である」(久保田正文師)

を引用されています。

自分と違う意見や行動を敵視し排除しようとする
気持ちの多くは、正体のわからない不安や
今後の不透明さによる心のざわつきだと
思うと理解できるところはありますが、
その奥には、どのような心の動きが
あるのだろうかと一度受け止めてみると、
会長先生の仰っていただく

【自分とは違う意見の人の姿勢をも理解し、
やさしく柔軟に受けとめられたでしょうか。】

という問い掛けにその通りと
お答えすることができるのではないでしょうか。

そういう一つひとつ身に起こる出来事と
向き合えることが

「即ち是れ道場なり」

という精進なのではないでしょうか。

後項には『心がきれいになると』
において、法師功徳品には

【生きる姿勢や日々の言動をとおして
法華経の教えを実践し、世に弘める人は、
六根(眼、耳、鼻、舌、身、意)が
清らかになるとあります。】

さらに、

【私たちは、毎日を清々しくすごす方法を知っています。】

と伺ってなお、そうではない自分と
向き合うことに躊躇することが多いようにも感じます。
しかし、ここでお示しくださっている、

【人の善いところが見えて悪いところを
探す気持ちが起きない。
なんでもおいしくいただける。
読経供養が習慣となり、人に会うと思わず合掌してしまう。
こういうことを無意識にうちに行っているとすれば、
きれいな心で円満な毎日を送っていると
いえるのではないでしょうか。】

との問いかけですが、私でも少なくともなんでも
おいしくいただけているとすれば、
私もきれいな心で円満に毎日を送っていると
自負してもよいのかもしれません。

法師功徳品にある

(法華経の教えを持つ人は、心が清浄なために
さまざまなはたらきができて、
たとえ迷いがすっかりなくなっていなくても、
高い境地に心安らかにとどまり、
多くの人に親しまれ、敬われることでしょう)

の一説がこれまでを端的に示していることと合わせて、
仏さまが語り掛けてくださっている相手は
「常精進菩薩」であることを、
会長先生は、釈尊が私たちに対して励ましを
くださっているようだと示してくださいました。
この励ましのことばでもある

「いつでも、どこでも、だれに対しても、
思いやりとやさしさ、そして
温かな気持ちを忘れない菩薩であれ」

を身において新たな令和三年次をお迎えしたいと存じます。

最後に、今年はコロナ感染対策に
明け暮れていたように感じますが、
その一方、会員の皆さまから聞こえてくる声の
多くはコロナのおかげさまという声です。

これまで感謝と受け止めることができなったことが
いかに有り難いことであったかを気付かせて
いただける機会とされた方が多かったようです。

会長先生のご指導のように
それぞれの置かれた場所で、菩薩として
苦しむ方に手を差し伸べようとされる方が
如何にこの奈良教会に多いことかという顕れであり、
一言でいえば「即是道場の精進」ということが
多くの方々に備わっているのだと思うと
この状況下も不必要な恐れを抱くことは
無いように思えてきます。

令和三年次の教団方針にある三つの方向性として

「教えによって救われる喜びを真に実感できること」
「新たな運営のあり方の創造」
「救いと運営に役立つツールの開発」

が示されました。これを私自身の修行の指針
として受け止めてまいりたいと存じます。

改めて、皆さまにはお身体ご自愛いただき
令和二年最後の月を迎え、
開祖さま、会長先生のお弟子として
ご法精進できる今あることに感謝の念を
かみしめさせていただきたいものです。

皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。

合 掌

立正佼成会

奈良教会長 中村 浩士