皆さま、日々ありがとうございます。
はじめに、令和二年七月豪雨における
犠牲になられた方々のご冥福、並びに
被害に遭われた方々の早期の復興に
むけてご祈念申し上げます。
また、酷暑のころをむかえましたが、
新型コロナウイルスの状況は
一時期の収束感から一変し、
日々感染者数の更新が彼方此方で
発表されていることは皆さんご周知の通りです。
しかし、奈良教会としては、
皆さんのご協力のもと、
再開にむけて精進しつつ、
状況に柔軟に対応するべく、
教会役員の皆さんや担当の方々と
検討を重ねながら徐々にではありますが、
会員各位が安心のできるご修行環境を
目指して教会護持をさせて頂いております。
その中でも、皆さまがそれぞれの場で
工夫に工夫を重ねご法精進のご縁を結んで
下さっていることに深く感謝申し上げます。
ひとえに、開祖さま、会長先生のお徳と
先達の方々の導きによるところと存じます。
再開如何の進退も今後の我々一人ひとりの
行動によるところでありますので、
今月も会長先生のお心をしっかり
受け止めさせていただきたいと存じます。
さて、今月は『むだなものはない』
と題してご法話を頂戴しました。
前項の、『「仏に帰る」ための精進』にて、
《ある方から「仏になるためには、
どんな実践や工夫をすればいいのでしょうか」
と尋ねられたこと》
を発端に法華経の「如来寿量品」
を良く味わうと仏になるために
精進するわけではないようです。
というお話をお示し下さいました。
このお話を伺って、すべての努力精進は、
仏になるための修行というところばかりが、
色濃く私自身の目に映っていることに
気がつかせて頂きました。
ドキッとした思いもありながら、
大切なことを忘れていたことに
お詫びのこころでもありました。
仏になるために修行や工夫をするというよりも、
悟ったあとの精進をしている。
それでは、なぜ精進を続けているかといえば、
私たちがときどき自分の本質を
忘れてしまうからです。
と受け止め方もお教えくださいました。
そのことを踏まえ、もう一度自身を、
振り返ってみますと、
人間釈尊の説かれた教えである。
法華経前半部分の迹門での心もちのままで、
そこから脱却できていない自身の
到らなさに気づかせて頂いたのです。
すでに救われている命という本質の救いを
日ごろ教えて頂いていながらも、
どこかで見失っていることに気づかず
日々を過ごしていることが
往々にしてあることから、
ときどき自分の本質を忘れてしまう私に
思い出させるために様々な
出会いや出来事によって
「ほんとうの自分」に帰るための精進と
お教えくださったものと存じます。
更に、それこそが日常の信仰生活なのです。
と仰っていただいたことに、そうあっても
日ごろ苦しみや悩みの中に没入気味の
私たちの残念さを感じるところでもありました。
後項では『自分のことのように』において、
度脱(世の人々を迷いから救い出して
悟りの世界に入らせること)、
《迷いの世界から救うというと
難しい印象ですが、いつでも心から、
幸せだ、うれしい、楽しいと
いえる人間になるということです。
そのために、仏はさまざまなかたちで、
あるいはものごとをとおして、
私たちが迷いの世界から離れる
ヒントを与えてくれています。》
聖人や賢人の教えだけでなく、
いいことも悪いことも含めた
この世のあらゆるできごとが、
「ほんとうの自分」に帰って
幸せを味わうためのヒント、
縁になるということです。
これを万億(まんのく)の方便というのですが、
ここのところでは私たちに仏さまが
幸せに過ごしてほしいと願って下さっている
お心を感じずにはいられません。
私たちは、自身の身に
起こったことがらによって、
人の痛みが身にしみるように
理解できることもあれば、
他者の幸福のさまを目の当たりにすることで、
感動に震えることは、
《それは自分の仏性が現われているからでしょう。》
と自他一体の根本は、仏さまと
同じ尊い命を宿している私たち自身を
認めることにもなるのではないでしょうか。
最後に、もう一度周囲を見回してみると、
コロナ感染のリスクが高まっています。
豪雨災害による被害は全国どこでも
起こる可能性があります。
だれもが大小様々な苦労をなさっています。
このことを、
《私たちが、自分のこととして受けとめ、
学べば、この世にむだなものごとは何一つなく、
その一つ一つが「ほんとうの自分」、
すなわち仏に帰る縁となるのです。》
とお示し下さったことが
自他一体の心もちであり、
いつでも胸の奥にもって
精進して参りたいと存じます。
ここに到って、奈良教会の皆さんが
ご縁を学びとする精進のご様子の報告を、
更に多く聞かせて頂いております。
改めて工夫を繰り返しより良いご縁に
なろうと努力して下さっていることに
重ねて感謝申し上げます。
また、今月も元気に皆様と共
に努力精進させて頂きたいと存じます。
皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。
合 掌
立正佼成会
奈良教会長 中村 浩士
★佼成8月号「会長法話」をご拝読ください。
【佼成8月号】
(朗読 MP3)
まほろば 奈良教会長コラム
令和二年八月度 ご法話を学んで
2020.8.1