まほろば 奈良教会長コラム

平成三十年三月度実践目標

2018.3.1

地域のオアシスとなって

    会員綱領の如く、法(一乗)の光を届けよう!

 

創立八十周年の月を迎えさせて頂きました。創立の意義を深く認識し、新たな決意で精進することをお誓いしたいと思います。

会長先生のテーマは「地域の人びとと共に、幸せに」です。次のようにご指導下さってます。

 

多くの方のおかげさまで、本会は今年、創立八十周年を迎えました。まだまだ浅い歴史ではありますが、そのなかで、いまから三十年前に、開祖さまは本誌でつぎのように述べています。「究極の目標は世界人類の救済にあろうとも、あくまでも身辺のことをおろそかにせず、まず目の前の一人を救い、おのれの家庭を調え、地域社会の浄土化へ進むという、着実な歩みも忘れてはならない」(昭和六十三年・三月号)

創立五十周年の年に示されたこの決意を、私は、節目の年を迎えて新たな一歩を踏みだそうとするいま、あらためてかみしめています。以前、私は「(地域の)みんなが幸せになることによって、私たち佼成会会員の幸せもある」と申しました。「地域社会の浄土化」とは、そこに住む一人ひとりが、自分の幸せだけでなく、地域の安寧やみんなの幸せという、いわば公のことに意識を向けながら、生活の一つ一つをおろそかにしないで明るい家庭を築いているということです。現実社会という娑婆も、こうして常寂光土となるのです。もし暗い表情をして沈んでいる人がいたら、その心に一灯を点じて笑顔をとり戻し、地域全体を明るく照らしていくのが信仰をもつ私たちの精進であり、役割だと思うのです。

夕暮れの街を数時間、高台から撮影した映像を見たことがあります。日が落ちるにつれて一軒、また一軒と灯りがともり、やがて街全体が夕闇の底に明るく浮かび上がってくるのですが、地域に幸せが広がるというのは、もしかすると、この光景のようなものかもしれません。窓から明るい灯がこぼれ、凍てつく夜も家のなかは笑顔とぬくもりにあふれている─

そういう、だれもが帰りたくなるようなあたたかな家庭が、一軒ずつふえていくイメージです。そして、その最初の一軒は、みなさんのご家庭です。家族がみんな仲よく、それぞれが敬いと親愛で結ばれて、心安らいでいる。“わが家”をそういう家庭にすることが、地域全体の幸せの始発点になるのです。

また本会には、各地域に教会道場があります。信者のみなさんにとってのオアシスであるばかりでなく、どなたにとっても身心が休まる場所であることが望まれます。ただ、それには私たちが率先して地域にはたらきかけることが大切です。「出入口」という言葉が示すように、まずこちらから一歩を踏みださなければ、入ってきてはいただけないのです。そのことを踏まえ、ぜひ地域のみなさんと一つになって、街全体をオアシスのようにしていただきたいと思います.。家庭の幸せを始発点として、地域のみんなが仲良く過ごすことは、大きな平和への一歩でもあるのです。