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まほろば 奈良教会長コラム

平成二十九年十一月度実践目標

2017.11.1

平成二十九年十一月度実践目標

いのちの根源にはたらく 絶対の力を信受し、

今できる、懺悔と感謝を伝える菩薩行を!

 

開祖さま生誕会の月です。開祖さまのご生誕をお祝いするとともに、開祖さまへの報恩感謝と誓願をお誓いしたいと思います。

今月の会長先生のテーマは、「親孝行と菩薩行」です。次のようにご指導下さっています。

 

両親を敬い、父母によく仕えることを「孝を行なう」と書いて「孝行」といいます。そして、「孝行のしたい時分に親はなし」のことわざが示すように、親孝行は両親が存命のうちに、と考えるのが一般的です。しかし、多くの人の場合、両親が元気なうちに孝を尽くすことが、なかなかできません。気恥ずかしさもあるでしょうし、心のどこかに「ずっと元気でいてくれるはず」という願いにも似た思いがあるからかもしれません。それで、亡くなって初めて親の恩の大きさを痛感し、生前の親不孝を悔やむ人が少なくないのです。

ただ、私は親孝行をするのに、けっして手遅れということはないと思うのです。暮らしの一つ一つに、ていねいにとりくむ。日々を明るく、楽しくすごす。人に喜ばれるようなことを誠実に行なうことです。娘や息子がこのように生きていれば、いまは亡き両親も、安心してくれるのではないでしょうか。お墓や仏壇・ご宝前へのお参りは、それ自体が親孝行です。その姿勢がすでに「自分の命の根源に感謝できる人間」に成長している証だからです。

開祖さまは、法華経に示された教えを身近な行ないにあてはめ、「親孝行」「先祖供養」「菩薩行」の三つが大事と説き示されました。では、その菩薩行とは何か。それは、布施・持戒・忍辱など仏さまの教えに随って、人を思いやり、周囲の人に喜ばれるような行ないのことです。見方を変えれば、人の喜びを自分の喜びにする人を菩薩といい、その菩薩の心を支える杖は、生かされていることへの感謝といえましょう。

そこで、先の親孝行のとらえ方をもう一度ふり返ってみましょう。日々をていねいにすごし、誠実に、人に喜ばれるような生き方をすること─この親孝行の具体像を菩薩行と重ねると、親孝行も先祖供養も菩薩行も、根本においては一つということがわかります。そして、これらすべてに共通するのは、いま命あることへの「感謝」です。「孝は百行の本」という言葉があります。「孝行はすべての善行の根本となる」という意味ですが、その孝行も生んでいただいた両親への感謝が基本ですから、命への感謝がすべての善行の土台となり、それが善なる世界を創造する力になると教える言葉なのかもしれません。

まもなく創立八十周年を迎える年に入ります。今月は本会で大事にしている「親孝行と菩薩行」についてお話ししました。このことをとおして自分の命の原点を見つめ直し、あらた

めて自身の信仰のあり方をふり返る機会になればと思います。そのうえで、一人でも多くの人に仏法をお伝えするという菩薩行の基本をかみしめ、生きる喜びを自他ともに味わわせていただきましょう。