今月は、「青年の日」に学び
布施の心で、目の前のことにベストを尽くす 菩薩行を!
今月の会長法話のテーマは、「無名の人びとは国の宝」です。
若葉の緑がイキイキと目に止まり、青少年が大いに力を発揮する季節となりました。
会長先生は、次のようにご指導下さっています。
・格差社会といわれる昨今、「落ちこぼれてはなるまい」と、人に抜きん出て出世したり成功したりすることが、多くの人の生きる目的になっているような風潮もあります。努力して、それが報われるのは大切なことです。ただ、華々しい活動とは無縁の、いわば無名の人が認められなかったり、企業の都合で辞めざるを得ない人を「負け組」と呼んだりする社会は、どこか間違っている気がします。
経済のしくみからすれば、それはある意味で当然なのかもしれません。しかし、よく考えてみれば、国も地域社会も、目の前のなすべきことにコツコツととりくむ、多くの無名の人によって成り立っています。
・そう考えると、家事も含めて、働くうえでは、出世や成功にとらわれるよりも、もっと大事なことがありそうです。
それは、拍子抜けするほどシンプルなことですが、「目の前のことにベストを尽くす」という姿勢だと思います。
・日本は、昔からすぐれた匠の技で世界に知られています。戦後はとくに、あらゆる分野でそれぞれが技術の向上に務め、その結果、国全体が成長・発展してきたといえます。有名になりたいとか、高収入を得たいとかという動機だけで、厳しい修業や研究の道を歩みつづけられるとは思えません。何よりも「人の役に立ててうれしい」という喜びが、日々を支える力となり、たとえ生活は質素でも、自信と誇りをもって生きる「張り」や「生きがい」につながっているのです。「人の役に立ててうれしい」という思いは、「布施の心」(人に施しめぐむこころ)がその原点にあるといえます。自分の持っているものを与えることで、人さまが喜んでくださり、それが自分の喜びとなる。いつでも自信と誇りをもって生きられます。
・しかし、固定観念や自我に縛られていると、そのことに気づくことができません。その縛りを解き、持ち前の価値を発揮させるのが、「傍を楽にしよう」「人さまのために尽くそう」
という布施の心なのです。
布施に生きる無名の一人ひとりこそ、家庭から国家に至るすべての場で、真に有力な人といえるのです。
まほろば 奈良教会長コラム
平成27年5月度実践目標
2015.5.1