「いまが青春」の気概をもって、 一人でも多くの幸せを願う創立の精神を胸に精進いたしましょう。
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今月の会長法話のテーマは、『季節の行事に親しむ』です。 三月五日は、立正佼成会の創立七十七周年記念日です。 今月は、本会が創立された精神をしっかり心に刻み、 会員としての自覚と誇りをかみしめ、 布教してまいりたいと思います。 どのような心で精進させて頂ければ、良いのでしょうか? 会長先生は、次のようにご指導くださっています。 ・春、三月の行事といえば、ひなまつりに卒業式、お彼岸、春分の日、 そして本会では三月五日が創立記念日に当たります。 では、たとえば春分の日を私たちはどのようにすごしているかというと、 多くの人が国民の祝日の一つと受けとめ、 いつもの休日と変わりなくすごしているのではないかと思います。 この日は、「自然をたたえ、生物を慈しむ日」とありますが、 こうした意義をかみしめて、すごしている人は、あまり見受けられません。 私たちの生活、そして人生は、無常迅速といわれるように、 時々刻々と変化しています。 ・そうしたなかで、私たちがうっかり見過ごしていることに気づかせ、 マンネリから抜けだすきっかけとなり、弾みとなるのが、 季節の行事や国民の祝日だと思うのです。 先の春分の日であれば、その意義や由来を知ることで国の文化や伝統を再認識し、 あらためて母国に誇りや愛着を覚える人もいることでしょう。 また、「いよいよ春の到来。自然を愛し、素朴に生きよう」 と心に弾みがつき、前に進む力がわく人がいるかもしれません。 こうしてかみしめ、味わうと、何気ない休日が、 大きな気づきや成長につながる貴重な一日となります。 ・仏教者には、目にした自然の営みをとおして無常を観じ、 そこにあるがままの生き方を受けとめて詠んだ和歌や俳句が知られています。 道元禅師は、「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて冷しかりけり」と、 端的に自然美とこの世の実相を示されています。 このような詩歌にふれると、季節ごとの行事や四季折々の風物は、 すべての人と自然が織りなす「いのち」の営みとわかります。 つまり行事を楽しんだり自然を愛でたりするのは、 そこに息づく「いのち」を味わい、慈しむことであり、それはまた、 風物や行事をとおして説かれる神仏の声を聴かせていただくことでもあるのです。