まほろば 奈良教会長コラム

平成27年1月度実践目標

2014.12.30

「“大いなるいのちに連なる家族”を認識し、ともに、思いやりを発揮しよう」

 

今月の会長法話のテーマは、「家族とともに、心豊かに」です。

新たな年を迎え、今年こそ“心豊かに”という気持ちで、悦びの日々を送りたいと願うところです。どこに心を置いて日々、精進していけばよいのでしょうか?

会長先生は、次のようにご指導くださっています。

 

・結婚式やお正月など、祝いごとで家族や親戚が集まるのは、楽しいものです。そのときの時親しみや、くつろいだ雰囲気は格別で、それはおそらく、どこの家庭も共通するのではないでしょうか。

思想家の安岡正篤師は、「家庭はもはや分割を許されない社会的細胞であり、愛情の小世界」といい、その「愛情の小世界の中で、家族や親戚や隣人、客人に交わって、好ましい社会的訓練を受けさせる」ことが人間教育には、必要と明言しています。この言葉のように、たくさんの人が集まる機会の多い年末年始は、豊かな心を育む大切な機会といえそうです。

 

・心の豊かさ、安らぎ、充足感、救い。これらは、おそらく愛情の小世界たる家庭だからこそ得られるもので、それは母親の背におぶわれた幼い日の、あの肌のぬくもりからくる信頼感や安心感に通じるような気がします。

年頭にあたって家族や親戚が会話とふれあい愉しむなか、お互いに心の栄養を補給しあうという重要な意味あいがあるのかもしれません。

 

・では、どのような会話やふれあいが心の豊かさや安らぎを家庭にもたらすのか。

私は「無財の七施」がポイントになるとおもいます。とくに笑顔(和顔悦色施)と、思いやりのこもったやさしい眼差し(眼施)や言葉がけ(言辞施)が大事だと思うのです。親が子や孫に、あるいは子や孫が親や祖父母に笑顔で接し、お互いを思いやれる家庭こそが真に豊かなのです。年長者が率先して相手を尊重し、いつでも謙虚に「ありがとう」と感謝の言葉を口にするような、日々の姿勢のなかにあります。

 

・ところで、なかには、残念ながら、仕事の関係などから、現実の生活環境の下では家族との会話ができないという人もいます。しかし、私たちはみな、大いなるいのちに連なる兄弟姉妹です。その意味では、誰もが家族の一員であり、親戚にほかなりません。

 

今月は、家庭を出発点に、ともに、やさしさ、あたたかさを発揮し、「だれもが家族の一員」と、いのちのつながりを認識しながら、地域全体に思いやりを広げてまいりましょう。