まほろば 奈良教会長コラム

平成26年7月度実践目標

2014.7.1

「いま、すぐ」を心がけ、縁に随(したが)う素直な生き方を身につけよう

 私たち会員は、明るく・優しく・温かい人間になることを今生(こんじょう)の目標にしていますが、毎日の忙しさに追われ、なかなか実践できず、目標さえも忘れてしまうことはないでしょうか。この志を持ち続け、目標に向かって着実に歩むために、何か自分の決めたことを、日頃の生活の中で必ず行っていけるようになるには、どのようなことが大事なのでしょうか?

 会長先生は次のようにご指導くださっています。

・正受老人と呼ばれる禅僧の有名な言葉に「一大事と申すは、今日ただいまの心なり」があります。一日一日に真(まこと)を尽くすこと、そのためにも「今日ただいま」を大事に生きること、それを怠って先のことを考えても人生はおろか翌日すらないというのです。ところが、私たちは、頭ではわかっていても、実際には、「朝夕のご供養をつづけよう」とか「禁煙するぞ」といいながら、結局「あしたから」と先延ばしにし、「きょう」や「いま」をおろそかにしがちなのです。

いつ何が起きるかわからない無常の世の中にあって、「いま」をおろそかにするのは、いのちの無駄遣(むだづか)いといえるかもしれません。

・では、どうすれば「いま」を大事にできるかを考えてみましょう。

 葉隠(はがくれ)という書物に「跡(あと)見よソワカ」という言葉が見られます。「跡をよく見なさい」と自問して行動をふり返り、「忘れていることはないか」「やるべきことを実行したか」と反芻(はんすう)するのです。こうした真言を唱えてみてはどうでしょうか。

 あるいは、多くの人の前で決意を語るのも一つの方法です。

 このほかにも方法はありそうですが、「思い立ったが吉日」という言葉どおり、昔から「時」を逃(のが)さず「いま、すぐ」にとりくむことが大事といわれるのは、何かを決断したり思い立ったりしたとき、その縁に随(したが)って素直に実践することが真理にかなった生き方といえるからです。逆にいえば、「いま、すぐ」を心がけると、おのずから真理に随順する生き方ができるということです。

 

 ・正受老人は、目の前のこと、そしてその日一日に真を尽くすと「精神すこやかにして、養生の要を得たり」といっています。禁煙も含め、健康を考えるうえでも「いま、すぐ」は大事な姿勢だといえそうです。

 奈良教会では、明るく・優しく・温かい人間になるために、一見不都合な目の前の人やできごとを「×」とみて不平を言うのではなく、真っ白で見て、そのなかに、有難いこと・「○」を見いだし、悦びを相手に伝える、そしてそういう努力をする人を増やしていくことを目標に掲げてきました。さあ、そのことを日頃の生活の中で「いま、すぐ」させていただき、縁に随って素直に実践する生き方を身につけていきましょう。