「三つの基本信行で心を磨き、優しさを身につけよう」
(基本信行…①ご供養、②手取り・導き・法座、➂ご法の習学)
今月は立正佼成会が創立された月です。創立者の開祖さまは、どんな現象にも、愚痴をいわず、泣き言もいわず、落ち込まず、相手を攻撃せず、非難も中傷もせずに、笑顔で対処され、人生を全(まっと)うされました。会員として、そのような開祖さまに倣(なら)い、明るく、温(あた)かく、優(やさ)しい太陽のような人間になることが大切な目標であり、私たちの今生(こんじょう)のテーマであるとお示しいただいています。
今月は、「会長法話」で、そのなかの「優しさ」がどのような修行をすれば身につけられるかを、次のようにご指導くださっています。
・「優しく」の「優」という字は人偏(にんべん)に「憂」えると書きます。憂えるとは、「心を痛めること」で、それは人の悲しみがよくわかることです。また、「優」の字は「優(すぐ)れる」とも読みますが、人のつらさやかなしみを敏感に察して自分のことのように思いやる、そうした心のはたらきに優れている人が「優しい人」なのだと思います。
・釈尊はこう教えてくださるのです。「あらゆる人を友とし、喜びを与えよう。苦しむ人を思いやり、手を差し伸べよう。人の幸せを念じ、ともに喜ぼう。とらわれを捨て、すべてを平等にいたわろう」
「慈悲喜捨」というこの四つの無量に広がる利他心を実践していれば、おのずと人に優しくなれるということでしょう。
・私たちは、よく「自分に厳(きび)しく、人には優しく」といいます。人に優しくすることと心を磨くことは、表裏一体という見方ができるのではないでしょうか。ほんとうに人に優しくあるには、人柄ににじむ誠実さや謙虚さ、あるいは大らかさや相手を思うがゆえの厳しさといった裏打ちが必要です。
・優しい心根をひきだし、育てるうえで大事なこととして、開祖さまは「家庭に宗教的な雰囲気があること」といわれています。それが、目に見えない偉大なるものへ畏敬(いけい)の念を育て、謙虚さや大らかさを養うことになるからでしょう。
・そして、何より、私たちは法に照らされ、サンガに磨かれるなかで人に優しくなれるということはないでしょうか。
明るく、優しく、温かな心を大切にして、困っている人の手をとり、法をよりどころとしてともに心を磨きあうなかに、優しさがあるように思えます。
今月は開祖さまのように、一見不都合と思われる人や出来事の中に、有難いことを見いだし、みんなが救われることを願い、優しい人間になれるよう、精進しましょう。
まほろば 奈良教会長コラム
平成26年3月度実践目標
2014.3.8