『変化をあるがままに受け入れ、そのなかに「ありがたいこと」を見出していこう』
今月の会長法話のテーマは、『「驚き」から創造が』です。
四月八日は釈尊がお生まれになった日です。私たち会員は仏教徒であり、幸せになりたい、生きがいある人生を送りたいと願い、それを得るために釈尊の教えを学び、実践しようとしています。釈尊の教えの中で何が一番大事か、釈尊が私たちにこれだけは知ってほしいと願われた教えは一体何だったのでしょうか。
会長先生は、「無常」(すべてのものごとは、絶えず変化していて、ひとときもとどまることがない、ということ)であるとおっしゃり、今月のご法話の中で次のように教えてくださっています。
・普段私たちは変化に乏しい日々を送る傾向があります。生活がマンネリ化して日々の変化に気がつかず、見ているようで見ていない「こと」や「もの」が、意外に多い気がします。その惰性に流れがちな生活のなかで、それを打ち破るのに、「不思議に気づく」ことや「驚く」ことがとても大切だと思うのです。
・新たな人や環境にふれるという変化に苦手意識を持つとき、好き嫌いという自分の感情や狭い価値観に捉われていることが多く、それゆえかたくなになりがちです。
人が変化に順応するのは、新たな出会いによる刺激や環境の変化の影響を受けて自分を変えることです。それは、より創造的に生きるということであり、人間的な成長をうながすとともに、人生において大事なことを発見するチャンスでもあります。
・日常の小さな変化を見つけたり、出会いを成長や喜びに変えるには何が大切なのでしょうか。そのコツの一つは、素直になることです。
「岩もあり 木の根もあれど さらさらと たださらさらと 水の流るる」という歌があります。このように目の前のことをあるがまま受け入れる素直さが、一つの出会いを宝物に変えるコツなのではないでしょうか。
あるいは、自分は何もしないのに、毎日、洗濯してくれる人がいて気持ちよくすごせることについて、「ありがたいなあ」と感嘆の声をあげてみる。そうした素直な感謝から生まれる小さな気づきの延長に、「いま生命(いのち)あるは有り難し」という人生の大事な気づきがあるのでしょう。
・釈尊が別世界から降りてこられたといわれるように、私たちも真如の世界からやってきたのです。だからこそ、水の流れのように、真理を学びつづけることが大切なのです。
今月は、自分にとって不都合な変化・縁もあるがままに受け入れ、そのなかに「○」(マル)を見出し、「ありがたい」と感謝していく世界を味わっていきましょう。
まほろば 奈良教会長コラム
4月度実践目標
2013.4.1